受け取るお金の名前が変われば、収入源も増えたといえるでしょうか。これまで報酬として受け取っていたお金を、別の契約を通じて受け取るようにする。通帳に記載される名義が増えると、本業以外の収入を持てたように感じるかもしれません。しかし、家計や将来の仕事を考えるなら、お金がどこから生まれているかまで見る必要があります。
税務上の扱いを決めるための議論と、新しい収入源ができたかを考える議論は、目的が違います。この記事では個別の契約の適否を判定するのではなく、これから第二事業を選ぶ経営者に向けて、外部の顧客から新しい売上を得るとはどういうことかを整理します。
振込名義ではなく、お金を生み出した取引まで戻る
経営者が個人で受け取るお金には、役員報酬をはじめ、さまざまな契約に基づくものがあります。それぞれの法的・税務的な扱いは、契約と事実に応じて確認する必要があります。その上で、生活の支えを増やすという観点では、最初の支払原資がどこにあるかを確かめます。
自分の会社の売上が止まったら、その入金も同じように止まるのか。別の契約先が間に入っていても、最終的には自社が資金を出し続けなければ維持できないのか。振込先の名前を数えるだけでは分からない関係です。複雑な仕組みなら、入金に至るまでの取引を順に説明してもらいます。
2026年10月20日の財務省・国税庁の資料では、社債利子に関する税制改正の背景と例が説明されています。本稿でその取引の方法を勧めたり、一律に適否を判断したりすることはしません。ここから経営者が考えたいのは、形式上の相手や名称と、経済的な関係を同じものとして扱わないという視点です。
新しい売上には、代金を払う理由のある相手がいる
外部から売上を得る事業には、対価を払う相手がいます。商品が必要だから買う、仕事を任せたいから依頼する、顧客との接点を持ちたいから広告を出す。その相手が何を評価してお金を払うのかが、商売を考える出発点になります。
第二事業を検討するときに、その相手の説明がなかなか出てこないなら、立ち上げる仕事の輪郭がまだ定まっていないのかもしれません。資金の移し方や申告の話ばかりが詳しくなっても、誰の需要へ応える事業なのかは別に確かめます。収入を受け取る形だけを用意しても、買い手の需要を作れたことにはなりません。
顧客を説明するときは、属性を広く並べるだけで終わらせないようにします。たとえば「経営者向け」よりも、導入するサービスの比較に時間がかかり、判断に必要な違いを調べている人、と具体化する。情報を届ける場面が分かると、何を調べ、どんな順序で伝えるかを決めやすくなります。
WEBメディアは、読者と支払う相手が違うこともある
収益型WEBメディアの場合、記事を読む人から直接代金を受け取らない形もあります。読者が情報を使い、その接点に価値を感じる広告主や提携先が対価を支払う。誰に役立つ情報を提供し、どの取引から収入を得るのかを、二つの面から考える必要があります。
そのため、読者の数だけを増やせばよいと考えると、収益の仕組みを見失うことがあります。広告や提携に関する条件に合っているか、読み手が何を検討しているか、媒体の情報がその検討に役立つか。記事制作の前に、これらのつながりを調べる仕事が必要です。
逆に、条件のよい広告だけがあっても、読み手が必要とする情報を届けられなければ、継続する事業を作るのは難しくなります。広告の条件を見てテーマを決めた後も、その市場にどんな迷いや比較の需要があるのかを確認します。広告主へ提供する価値と、読者にとっての価値を行き来できる設計が求められます。
本業との関係は、支払いだけでなく顧客の動きでも見る
自分の会社以外から売上を得られるとしても、それだけで本業と完全に独立した収入になるとは限りません。本業の顧客だけを紹介先にした媒体なら、本業の取引が減ると影響を受けるかもしれません。同じ業界の広告費だけに頼る場合も、その市場の変化を一緒に受ける可能性があります。
ただし、すべて違う分野を選ぶことが正解というわけでもありません。本業で理解している課題を扱うことで、企画の質を高められることはあるでしょう。重要なのは、関係がある部分を認識した上で選ぶことです。会社と個人を分けたという形式だけで、顧客や市場まで別になったと思わないようにします。
検討時には、本業の好不調、広告主の予算、読み手の需要がどのようにつながっているかを見ます。知らない分野へ飛び込む不安と、よく知る市場へ集中する不安の両方を比較する。税額の計算には表れないこの比較が、第二事業を自分の将来へどう位置づけるかを考える助けになります。
外部へ構築を任せても、入金の仕組みは理解しておく
記事制作やサイト運営を外部へ委ねる場合も、収益が発生する条件は経営者自身が理解しておきます。誰と契約し、どのような成果や掲載に対して対価が生じ、いつ支払われるか。支援会社が作業するからという理由で、入金の仕組みまで分からない状態にする必要はありません。
難しい操作をすべて覚えることと、商売を理解することは別です。個別の記事をどう編集するかは担当者に任せても、どんな読者へ何を届けているかは説明できるようにします。入金が増減したときにも、確認する場所が分かるため、支援先からの報告を受け止めやすくなります。
たとえば、閲覧は増えているのに収入が変わらないなら、取引に結びつく条件や情報の内容を確かめる必要があります。報告の数字が何を意味するかを共有しておけば、すぐに追加の制作を発注する前に、どこを調べるかを相談できます。受取口座の残高だけで運営の良し悪しを判断しない体制を作ります。
利益を得る計画と、税務上の処理をそれぞれ確認する
外部の顧客を相手に活動していても、その事実だけで税務上の結論がすべて決まるわけではありません。所得区分、費用の内容、処理する時期などは、実際の契約や活動をもとに確認します。売上があるという一点を、あらゆる支出が認められる理由にはできません。
また、事業で利益を得れば、その所得について必要な申告や納税を考えることになります。新しい収入源づくりは、税金そのものがなくなる仕組みを買う話ではありません。適切な手続を行いながら、読者や取引先に価値を提供して、支出を上回る収入を目指す取り組みです。
税務については税理士に確認し、事業計画については対象市場、制作、集客、運営の具体策を確かめる。この二つを分けて準備すれば、形式を整えることだけが目的になりにくくなります。経営者が知りたい将来の収入も、実際の活動の延長として考えられるようになります。
弊社への相談では「どこから売上を得るか」から始める
丸投げ TAX to ASSETでは、収益型WEBメディアの事業設計、構築、集客、運営支援をご案内しています。検討する際は、いくらの税負担が減るかだけでなく、どんな需要を対象にするか、どうやって外部の売上へつなげるかを質問してください。受け取るお金の名称を変える提案と、事業を実際に作る依頼を区別するためです。
自分で毎日記事を書く時間がなくても、予算、事業の方向、依頼範囲を確認するところから相談を始められます。外部へ任せられる作業と、自分が判断する事項を分けて、継続できる形を考えていきます。作った後の運営をどう支えるかも、最初の見積もりと合わせて確認してください。
第二の収入源を持ったといえるかどうかを、通帳の名義や契約書の枚数だけで判断しない。誰の需要に応え、何の対価としてお金を受け取るかまで確かめる。その視点で、これからの事業づくりを検討してみてください。
最初の打ち合わせで、収入までの流れを説明してもらう
具体的なジャンルがまだ決まっていない段階なら、候補ごとの収益の流れを聞くことから始めます。媒体を読む人、問い合わせや購入などの行動、契約上の支払条件がどうつながるかを、専門用語だけで済ませず説明してもらいます。分からなかった箇所があれば、その場で質問として残しておきます。
その説明を自分の言葉で家族や税理士へ共有できるかも、一つの目安になります。難しい仕組みを分かったふりで契約する必要はありません。どこから売上を得る仕事なのかが見えれば、本業を続けながら何を委ね、どの判断に関わるかも決めやすくなります。第二事業の検討を、実際に運営する仕事の話へ進めていきましょう。
参考資料(2026年10月29日確認)